ファッション好きなみさんは普段シャツのお手入れをどうされていますか?意外に突き詰めて考えたことがない方が多いのではないでしょうか。間違った洗い方をしてしまうと縮みがでてしまったり、買ったばかりのころの風合いが瞬時に失われてしまいます。そこで今回は汚れが落ちるという観点だけでなく、ファッションブログらしく「風合いを保てる」という点も含めて「洗い方」「乾かし方」「アイロンのかけ方」の3つのポイントからベストな方法をお伝えして行こうと思います。
のべ3,000枚以上のブランドシャツを自分で洗濯・アイロンがけをして着用してきた経験から話していくね!
汚れの種類
シャツに付着する汚れは人体から分泌される皮脂性の汚れと外部から付着するホコリなどに分けられます。(食べこぼしなどのシミは除外します) ここでポイントになるのは、主にシャツの汚れとなるものは皮脂性の汚れなのでクリーニングでは落ちにくいということです。クリーニング店で行われる洗浄は基本的には石油が用いられますので外部から付着するホコリなどの汚れに対して有効なものになります。では、どうすれば風合いが保てて汚れも落ちる洗濯ができるのか順番に見ていきましょう。
洗い方
結論から言うと洗濯機で洗うのがベストです。シャツに付着する多くの汚れは水溶性ですので水で洗うのが一番良いです。また水洗いするそのほかのメリットとしては縮みが出にくいということです。クリーニング(石油)で洗ってしまうと縮みが出やすかったり生地そのものにダメージが加わるので風合いも損なわれやすいです。
クリーニング店がファッション性を理解していて洗濯を行ってくれればいいのですが、そういったお店は非常に少なく見極めるのも困難です。なので、お気に入りのシャツは自分で洗濯をし、デイリーで使うものをクリーニングに出すことをおすすめします。 シャツにおけるの洗濯機(水洗い)に関しては特にデメリットはなく、強いて言えば”手間がかかる”ということぐらいです。
※おすすめのクリーング店は別の回でお話ししたいと思います。
実際にシャツに良く使われる素材や作りによってどういった洗い方をすればいいのかをより詳しくお伝えしていくね!
マシンメイドシャツ(一般的なシャツ)
ミシンで縫われている一般的なシャツに関しては、裏返しにして洗濯機に入れて洗えば大丈夫です。裏返しにする理由としては、体側の生地の汚れがより落ちるようにするためと表生地に極力負担をかけないためです。
フルハンドやセミハンドなどのシャツ
ドレスシャツ(Yシャツ)に多い縫製で、ネック・アームなど稼働する部分を動きやすくするために職人がテンションを調節して縫製しています。そのため少し縫い目が動くよう甘めになっているので、そのまま洗濯機に入れてしまうと洗い終わった後にほつれてしまったり、最悪の場合はパーツが分解してしまう可能性もあります。ですので、裏返しにしてネットに入れて洗うようにしてください。それでも心配な場合はおしゃれ着洗いや弱水流モードで洗うと安心です。
麻(リネン・リネン混)のシャツ
マシンメイドと同じ洗い方で大丈夫ですが、ネットに入れて(おしゃれ着モードや弱水流モード)洗っていただければより風合いを保ちやすいです。
前提条件としては一日着用したら遅くとも翌々日までには洗うことです。汚れは放置するほど定着してしまいますので、できる限り早く洗うようにしましょう。
乾かし方とアイロンのかけ方
乾かし方
洗った状態で裏返しになっていると思いますがそのままの状態で乾かしてください。注意点として、屋外・室内問わず必ず日が当たらない場所に干すようにしてください。理由としては紫外線によって色あせてしまうからです。特に色が濃いものは注意してください。また炎天下、乾燥機、浴室乾燥機の直噴が当たる場所などの急激に乾く環境でも縮みがでてしまう場合がありますのでこちらも注意が必要です。
アイロンのかけ方
”風合いの出し方”を中心に話していくよ。サルトリア(仕立て屋)もアイロンワークで造形を表現していて、職人の腕の良し悪しが出る部分なんだ。
ドレスシャツの場合(Yシャツ)
裏返しのままの状態で、パーツごとに霧吹きで水をかけます。(身ごろで4か5吹き、袖で2か3吹き程度でOK)あとはスチームの吹き出しの設定を最大にして普通にアイロンをかけていくだけです。なぜ「水で霧吹」がベストかというと、生地の風合いを保ち、さらに縮みを最小限に抑えることができるからです。仕事で使うドレスシャツ(Yシャツ)は糊付けがされていないと「シワが気になる」と思う方もいると思いますが、霧吹きで水をかけた状態でも十分にきれいに仕上がるということと、何よりも高級なシャツほど風合いがキレイに表現されるからです。
該当ブランドの例として、
・FRAY(フライ)
・LUIGI BORRELLI(ルイジ・ボレリ)
・BARBA(バルバ)
・SALVATORE PICCOLO(サルバトーレ・ピッコロ)
・ORIAN(オリアン)
・ERRICO FORMICOLA(エリコ・フォルミコラ)
・Giovanni Inglese(ジョバンニ・イングレーゼ)
・各社セレクトショップオリジナルのドレスシャツ
以上のドレスシャツラインのものです。
ドレスカジュアルシャツ・麻シャツ(リネン)の場合
オックスフォードシャツ、キレイ目のダンガリーシャツなどは、霧吹きは行わずアイロンのスチーム設定最大の状態だけでかけます。理由としては霧吹きで水をかけてしまうとシャツのテイストに反してきれいに仕上がりすぎてしまうからです。どうしてもシワが気になる箇所に関してはスポットでスチームを使ってもOKです。
該当ブランドの例として、
・Finamore(フィナモレ)
・GIANNETTO(ジャンネット)
・GUY ROVER (ギローバー)
・INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズド・シャツ)
・各社キレイ目カジュアルラインのシャツ
以上のドレスカジュアルテイストのラインです。
その他
・オックスフォードシャツ・ダンガリーシャツなどの目が粗いものや地厚なものは、乾かす段階で軽くたたくかバサバサと5.6回ほどはたいて乾かし、そのまま着ることでラフな感じが出てカジュアルスタイリングとの相性がよくなります!
・タイドアップをするピンオックスのボタンダウンシャツの場合は、ドレスシャツと同じ「水で霧吹き」がベターです!
まとめ
洗い方
洗濯機 | クリーニング(石油) | |
---|---|---|
マシンメイド | 〇 普通に洗ってOK | △ 縮み・風合い劣化 |
セミ・フルハンド | 〇 ネットに入れる | |
リネン | 〇 ネットに入れるとより良い |
乾かし方
・直射日光や乾燥機などの急激に熱が加わる環境を避けることで、縮みや色あせを防ぐ。
アイロンのかけ方
・ドレスシャツ ⇒ 霧吹き+アイロン(MAXスチーム設定)
・キレイ目シャツ ⇒ アイロン(MAXスチーム設定)
・カジュアルシャツ ⇒ はたく or たたいて乾かす
自分で洗う場合はアイロンの工程が少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくれば一番面倒なドレスシャツでも、一枚6分程でかけられるようになります。大切な一着を長持ちさせるためにもぜひ試してみてください。装うことの楽しみにも深みがでると思います!
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